さて、前回は初心者がカメラを選んで買う前に忘れないで欲しい心構えについて書きましたが、今回からは具体的に初心者目線のカメラの選び方を考えていこうと思います。
まず初めに、カメラが欲しいと思った場合今の時代はデジタルカメラと呼ばれるカメラを選択しますよね。
デジタルカメラは、昔使われていたフィルムの代わりに映像素子と呼ばれるセンサーで画像を撮影するカメラです。
デジタルカメラといっても、今は大きく分けて3つのカテゴリーがあります。
1.コンパクトデジカメ
2.デジタル一眼レフカメラ
3.ミラーレス一眼カメラ
この3つのカテゴリーは、それぞれどういった特徴があるのか見ていきましょう。
コンパクトデジカメ
デジタルカメラの中では小型で軽量なものです。
昔はよく使われていましたが、現在はスマートフォンの普及によって使用されることは少なくなってきたかなあと思います。
その理由としては、多くのコンデジに搭載されているセンサー(光をとらえて風景を写す部品)のサイズが後述するデジタル一眼レフ、ミラーレス一眼と比べて小さく、画質的にはスマートフォンのカメラと大差が無くなってしまったという点があると思います。
わざわざスマートフォンとは別にカメラを持ち歩いても、画質的に差が無いのならスマートフォン1台でいいじゃん!ってなりますよね…
ですが、コンパクトデジカメは多彩なモデルが各社から展開されており、レンズ交換は基本的に不可能なものの機種によっては以下のような特徴的なモデルが発売されています。
高倍率なズーム機能を搭載した高倍率コンデジ
-Canon SX730HS、Panasonic DC-TZ90、SONY RX10シリーズ etc..
センサーサイズが大きく画質が良い・背景をぼかせる高級コンデジ
-SONY RX100シリーズ、Canon G7X/G9シリーズ、Panasonic TX1 etc..
防水・防塵・耐衝撃を備えたアウトドア用コンデジ
-Nikon W300、OLYMPUS TG-5、富士フィルム XP120 etc..
私が使用しているRX100M3は、大きなセンサーを使用した高級コンデジに分類される機種ですね。
高級コンデジは、デジタル一眼レフには及びませんがスマートフォンのカメラとは比較にならないほど綺麗な写真や背景のボケを生かした写真を撮ることができます。
そして、デジタル一眼レフ・ミラーレス一眼とは比べ物にならない程コンパクトという特徴があります。
このように、現在は使われることが少なくなってきたコンデジですが、特徴ある機種も発売されていて、自分の用途に合うならば価格も比較的安価なので良い選択だと思います。
また、レンズ交換はできないカメラなので多くの投資をしなくてもカメラ本体とそれに合うように設計されたレンズが手に入るという点も、カメラにかけるお金は限られている!という方には良いのではないでしょうか。
デジタル一眼レフ、ミラーレス一眼を買うと、どうしても追加でたくさんレンズが欲しくなりますから(笑)
ただし、大きなセンサーを搭載×高倍率といった機種ではかなり高価なので注意!
・コンパクトで軽量
・画質はスマホ以上~一眼未満まで
・高倍率・高画質・アウトドア向けなどの特徴を持つ機種がある
・価格は比較的安いものから高いものまで
・拡張性はいまいち
デジタル一眼レフカメラ
カメラと言ったらこれ!という外観のデジタル一眼レフカメラです。
写真を写すという機能はコンデジと共通ですが、それならなんでこんな大きくて重いカメラを使う必要があるの?と思いますよね。
この記事を見ている方は、デジタル一眼レフ・ミラーレス一眼が気になってご覧になっている方が多いと思うので、ここからはちょっと詳しく書いていきます!
まずはデジタル一眼レフカメラにはどういった特徴があるかというと、
レンズが交換可能
デジタル一眼レフは「デジタル一眼レフカメラ本体」+「レンズ」と分離する構造になっており、レンズが無いとカメラ本体だけでは撮影することができません。
そのために、レンズを取り付けるのですが、取り付けるレンズは各メーカが多彩な種類のものを出しています。
広い範囲を一度に写せるものから、大きく拡大して狭い範囲を写せるもの、ズーム機能があるものなどですね。
これらのレンズを状況によって使い分けることにより、様々な場面で、自分が思い描く写真を撮影することが可能になります。
例えば、広大な海の写真を撮りたいときはワイドなレンズ、遠くの鳥を撮りたいときは高倍率なレンズ、背景をボカシてモデルを際立たせたいならF値という数字が小さく明るいレンズ…などですね。
ただし、レンズは一本一本が高価なものなので、様々なものをそろえようと思うとかなりお金はかかってしまいますね。
初心者で初めて買う場合でも「レンズキット」というカメラ本体とレンズがセットになったものが販売されているので、まずはここから始めましょう。
カメラは電子機器の技術の進歩とともに毎年のように新しいものが出ますが、レンズのモデルチェンジの間隔はカメラと比べると長いので、新しいカメラが出て買い替えてもレンズはそのまま使えたりします。
ただし、カメラはメーカーごとに「マウント」という規格が決まっているので、その規格にあうものしか取り付けることができないので注意です。
例えば、Canonの交換レンズラインナップはこんな感じ。
いろんな機能を備えたレンズがありますよね。
対応しているマウントなら、様々なレンズを使い分けることができます。
大きなセンサーを搭載
レンズから入ってきた光を捉えて画像にするセンサーも大型のものが使用されています。
センサーが大きいほどたくさんの光を捉えることが可能なので、高画質で暗闇にも強く、背景をぼかすことが可能です。
一般的に流通しているセンサーサイズは「APS-C」「35mmフルサイズ」(右へ行くほど大きなサイズ)というもので、どれを選んでも画質はスマホやコンデジを凌駕するもので満足できると思います。
ですが、センサーが大きくなるということは、カメラの本体サイズも大きくなって重くなりますし、価格も上がります!
また、レンズも同じメーカーでもAPS-Cとフルサイズ用が出ている場合があります。
フルサイズ用レンズはAPS-Cカメラでも使えるけど、APS-C用レンズはフルサイズカメラで使用できない、という場合があるので注意しましょう。
センサーサイズの違いによる写りの違いについて詳しくはこちらをどうぞ
光学式ファインダーがある
これが他のカメラとデジタル一眼レフとの一番の違いといっていいでしょう。
そもそも、一眼レフってどういう意味がご存知ですか?
一眼はその名の通り、一つの眼(レンズ)があるっていうことです。
レフは、レフレックスという意味で、反射鏡という意味です。
一眼でレフなカメラはどういう仕組みがあるかというと、レンズから入ってきた風景はカメラ内部のミラーやプリズムを通って、カメラ後方にあるファインダーに映し出されます。
このファインダーはミラーやプリズムといった仕組みを利用しているため、光学式ファインダーと呼ばれます。
デジタル一眼レフでは、基本的にファインダーを覗いて写る風景を決めることになります。
そして、写真を撮るときはミラーが跳ね上がり、今までファイダーに映っていた風景がセンサーに捉えられ、写真が撮れるというわけですね。
つまり、今までファインダーで見ていた風景と全く同じ風景が写真に撮れるということです。
そんなの、今のデジカメやミラーレス、スマホでも画面で見て撮影するから同じじゃん!と思いますよね。
コンデジやミラーレス、スマホはレンズを通した風景を映像素子でとらえて、液晶に表示するという構造です。
この過程でわずかながらタイムラグが発生してしまいます。
液晶を見ているときにスマホを動かすと、一瞬遅れて画面の映像も移動するというのはみなさん経験あるのではないでしょうか?
ですが一眼ではレンズを通して写る風景を直接ファインダーで見ることができるので、タイムラグがありません。
そのため、今シャッターを切りたい!というタイミングで撮影することが可能となります。
そういった利点がある反面、ミラーやプリズムといった部品を搭載しなければいけないので、どうしてもサイズは大きくなってしまうという欠点がありますね。
デジタル一眼レフカメラの構造について詳細はこちら
デジタル一眼レフのまとめ
・レンズ交換可能
広角~望遠、明るくぼかせる、ズームなど多彩なレンズを使用可能
初心者でもレンズが付属しているレンズキットを選べる
・大きなセンサーを搭載
大きな撮像素子で綺麗で暗闇にも強い
・光学式ファインダーあり
見たままの光景をその瞬間に撮影できる
・サイズは大きい、価格は高め
大きなセンサーや光学式ファインダーを搭載しているため、サイズは大きめで、価格も高め
以上の特徴により、いろいろな場面で活用することができるカメラです。
ただし、サイズは大きく重いため荷物をあまり持ちたくない人は要注意です。
私は以前デジタル一眼レフを持っていましたが、持ち出すのが面倒で次第に使わなくなってしまった過去があります…
また、様々な場面に対応しようと思うといろいろなレンズを買っていくのですが、レンズは高価なのでその場合かなりお金がかかります。
ミラーレス一眼
最近よく聞くようになったミラーレス一眼ですが、デジタル一眼レフとはどいった違いがあるのか正直よくわからないですよね。
ミラーレス一眼では、
レンズが交換可能
大きなサイズのセンサーを搭載
といったデジタル一眼レフカメラの特徴は同じように備えています。
同様に、大きなサイズのセンサーになるほど、レンズをたくさん買うほどお金はかかるわけですね(笑)
ではデジタル一眼レフカメラにはないミラーレス一眼の特徴は何かというと…
光学ファインダーが無い
デジタル一眼レフにある光学式ファインダーがありません!
ミラーレスという名前は、光学式ファインダーで必要となるミラーが無いという点から来ているんですね。
光学式ファインダーが無いので、撮影の際はレンズを通して撮像素子がとらえた風景を
背面の液晶に表示して撮影
電子ビューファインダに表示して撮影
といったスタイルになります。
この2つは一体どういう撮影スタイルか調べてみると…
背面の液晶を見て撮影
コンデジやスマホのように、カメラ背面にある液晶画面で写る範囲を見ながら撮影します。
電子ビューファインダー
これはミラーレス一眼の一部の機種に搭載されています。
電子ビューファインダーは、デジタル一眼レフの光学式ファインダーの位置にありますが中身は全く違い、撮像素子がとらえた映像をファインダー内部の液晶画面に映しています。
撮像素子がとらえた風景を液晶・電子ビューファインダーに映し出す構造なので、顔認識機能や被写体の追尾することができます。
人物の「瞳」にピントを合わせる瞳AFなんていう便利な機能も最近はありますね!
また、カメラで設定した項目(明るさや色味、フィルター等)がしっかりと反映された映像を見ることができるので、撮影する前からどういう写真になるか把握することができます。
ただし、撮像素子でとらえた映像を液晶に表示するまで若干タイムラグが発生してしまうため、デジタル一眼レフのように今見た瞬間と写真の写すタイミングを完全に一致させることはできません。
あとは、電子ビューファインダーあれば問題ないのですが、太陽光の下の撮影では液晶が見づらいことがあります。
光学式ファインダー、電子ビューファインダー、液晶モニター各スタイルの詳しい特徴はこちら
コンパクト・軽量
光学式ファインダーに必要な部品や構造を搭載する必要がなく、コンパクトで軽量な機種が多いです。
電子ビューファインダーを装備していない機種なら、一昔前のコンデジと変わらないくらいのサイズですね!
電子ビューファインダーを装備している機種でも、光学式ファインダー搭載のデジタル一眼レフと比べるとかなりコンパクト・軽量となっています。
ただし、カメラ本体がコンパクト・軽量でも搭載するレンズは小さいものから大きいものまであるので、付けるレンズによっては全体のサイズ・重量は大きくなる場合があります。
ミラーレス一眼のまとめ
・レンズ交換可能、大きなセンサーを搭載している点はデジタル一眼レフカメラと同じ
・光学式ファインダーがないことにより、コンパクト・軽量
ただし、搭載するレンズによっては大きく重くなることも
撮影する際に、撮れる写真を把握できる
・価格は高め
このような特徴があるのがミラーレス一眼です。
本体がコンパクト・軽量なのを生かして薄く軽いレンズを付ければ気軽に持ち出せるカメラになりますし、サイズや重さを気にしなければ明るくぼかしやすいレンズや高倍率なレンズなどもつけることができるので、拡張性は十分ですね。
光学式ファインダーがないため液晶・電子ビューファインダーを使って撮影していくことになりますが、「絶対にこの一瞬を逃せない」という場面はでなければ、液晶・電子ビューファインダーの「写る写真が把握できる」という特徴のほうが便利だと思います。
価格はデジタル一眼レフと同じく高めの価格帯です。
センサーサイズはデジタル一眼レフと同じAPS-C、フルサイズの他にも4/3(フォーサーズ)というサイズのものがあります。
フルサイズのものはやはり価格がかなり高くなるので、最初は4/3、APS-Cのものがおすすめです!
まとめ
コンデジ・デジタル一眼レフ・ミラーレス一眼のそれぞれの特徴をみていきましたが、最初にカメラを買うなら高級コンデジか、ミラーレス一眼がおすすめです!
なぜかというと、どららもスマホを超える画質で暗い所でもきれいに撮影できますし、なによりコンパクト・軽量で気軽に持ち出すことができます。
気軽に持ち出せるということは私のような初心者にとって重要です。
カメラを持ち出す機会が増える→写真をたくさん撮る→もっとこうやって撮りたいな・こういう場所で撮りたいな→さらに写真を撮る、という成長サイクルに乗りやすくなりますからね!
本当はレンズ交換ができて拡張性も高いミラーレス一眼を一番おすすめしたいのですが、やはり普段スマホに慣れているとかなり重く感じてしまうと思うので、高級コンデジのコンパクトかつ高画質なカメラで写真の楽しさを知るというパターンも大いにありだと思います。
設定項目もスマホや普通のコンデジと比べるといろいろいじれますし、将来デジタル一眼レフやミラーレス一眼にステップアップするにしても、気軽なお出かけ用で一台持っていると便利ですよ!